株式会社八十二銀行【銀行】
究極の目的、企業業績の
向上をめざすために
長期スパンでキャリア形成が
できるように制度を設計
従業員のやりがいが、業績の向上に結びつく。そこでライフサイクルにあわせた働き方ができるように制度を設計。転換者に新たな経験をさせ、パフォーマンスも格段に向上。
業績の向上には社員が働きやすくなる制度導入が必要
昭和6年8月に創立した株式会社八十二銀行は、長野県を代表する金融機関である。長野県長野市に本店を構え、同県を中心に国内で155店舗、海外で1店舗、4駐在員事務所を展開している。
社員区分は、職員、準職員、パートタイマーに大別され、職員は行員、業務職行員、嘱託の3つに分類される。行員は預金関係以外の業務全般(融資、営業、検印など)を担当して管理職を目指す者であり、業務職行員は預金関係の業務(ハイカウンター、内部事務など)を担当する。また準職員は各店舗で警備、用務などの業務、パートタイマーは基本的に業務職行員と同様の業務を担当する。
企業業績を向上させるには、従業員の定着が重要であり、そのためには、ひとりひとりに仕事に対するやりがいや働きやすさを感じてもらえる会社であることが必要だと考えた。そこで、平成20年4月に、従業員、とりわけ女性従業員が、結婚や出産などライフスタイルの変化に合わせて柔軟に働き方を変えることができ、社内で長期的キャリアを形成できるよう、「キャリアチェンジ制度」を導入した。
また、この制度を通じて、少子化対策や雇用機会創出などの点で地域社会へ貢献したいということも導入理由のひとつである。
第1期で101名が転換、上長の推薦が得られた者を、面接で選考
キャリアチェンジ制度の対象者は、パートタイマーや派遣社員などで、行員または業務職行員に転換できる。応募には、転換予定日時点での勤続年数が原則3年以上で、所属部店長の推薦が必要である。ただし、過去に同行の行員または業務職行員としての勤務経験が3年以上ある場合は、退職後年数によって勤続年数を軽減する例外規定がある。募集は年1回で、希望する者は自ら所属部店長に希望を申し出る。所属部店長の判断によっては推薦が見送られることもあるため、エントリーする者は相応の能力や経験を有している者が多い。
転換時の選考方法は面接試験のみで、可否は、面接試験の結果や所属部店長の意見、過去の成果評価結果、勤務態度、保有資格状況などを総合的に判断して決定する。転換希望者への支援策は特にないが、転換決定後に1~2日程度の研修(期待役割の変化、賃金体系の説明など)を実施している。また転換後にいくつかの検定試験に合格しなければならないが、実際には試験に備えることが難しい場合もあるため、21年度以降の応募条件に、銀行業務検定協会の検定「法務」に合格していることを加えることを検討している。この検定試験のレベルは、新卒採用の行員・業務職行員が2~3年以内に合格しなければならない程度のものである。
転換が決定すると4月1日付けで転換となり、格付けは勤続年数や経験などで個別に判断する。過去に同行で行員としての勤務経験があれば、以前のキャリアを引き継ぐ形で格付けが決められる。
平成19年秋から選考がスタートし、平成20年の4月1日付けで第1期として101名が職員に転換した。その内訳は行員15名、業務職行員86名である。今回の転換者は全員が女性のパートタイマーおよび派遣社員で、そのうちの9割以上が既婚者で、子育てがひと段落した40歳代半ばの者が多く、同行の元行員もしくは金融機関の経験者がほとんどであった。今回かなりの人数が転換したため、次年度以降は転換者の数は減少するものと予想している。
転換後はパフォーマンスが向上したと評価
転換者の多くは、以前と比べて格段にパフォーマンスが向上したと評価している。行員や業務職行員に転換の際、その所属部店長に対して「転換者の担当業務や業務量を変更させるように」などの指示を出している。また、転換者は検定試験も受けなければならない。これまでとは異なった多くの経験をさせることで、転換者の意識改革は急速に進み、その結果、長期的ビジョンをもって仕事に臨むようになり、それがパフォーマンスの向上へと繋がっていると考えている。
また同行では、他にもキャリアリターン制度、短時間勤務制度、半日単位の有給休暇取得制度など、ワーク・ライフ・バランスを推進する制度を拡充しており、今後はこうした制度をより意味あるものにするため、職場風土の変革が必要不可欠だと考えている。
会社概要
| 創立 |
1931年6月 |
| 資本金 | 522億円 |
| 代表者 | 取締役頭取 山浦愛幸 |
| 本社所在地 | 長野県長野市 |
| 事業内容 | 銀行業 |
| 事業所数 | 店舗数 国内155店舗、海外1店舗 |
| 従業員数 | 正社員3,315人(男性2,073人、女性1,242人) 準職員86人(男性16人、女性70人) パートタイマー1,178人(男性94人、女性1,084人) |
| (2008年8月現在) | |